Open vol.49 B 優勝者 kanja選手 デッキ解説&インタビュー

2017.03.16

1月08日に行われたJCG Open vol.49 B。
本大会で見事勝利したのはkanja選手でした。おめでとうございます!
kanja選手が使用した2つのデッキは「ドロシーウィッチ」と「アグロヴァンパイア」でした。

 

デッキ1 ドロシーウィッチ

 

バハムート降臨で多数追加されたスペルブーストでコストの下がるフォロワーを使用したアグロ系のデッキです。早ければ2、3ターン目から爆発的な展開を可能とし、早い段階で相手の体力を削りきることができます。初動を捌かれたとしても追加の戦力を《次元の魔女・ドロシー》によって補充することができ、息切れせずに攻め続けることができます。また直接相手にダメージを与えるカードとして《ルーンの貫き》などが採用されており、《古き魔術師・レヴィ》で手に入る《紅蓮の魔術》と合わせて、一気に相手にダメージを与えて勝つことも可能です。

 

デッキ2 アグロヴァンパイア

 

相手の体力を最速で削りきることに主眼を置いたヴァンパイアデッキです。バハムート降臨のリリースでこれまで不足していた3コストフォロワーとして《吸血貴・ヴァイト》《ミニゴブリンメイジ》が追加され、デッキの完成度が一気に上がりました。フォロワーでの攻撃に加え、様々な手段で相手にダメージを与えることができるため、その全てに対処するのは困難です。従来のアグロヴァンパイアで採用されていた《フォレスト・バット》を展開し続ける戦略も強力で、序盤から中盤の盤面制圧力にも長けています。また《レヴィオンデューク・ユリウス》は攻撃力こそ低いですが、エルフやロイヤル、ドロシーウィッチなどのフォロワーを展開してくるデッキに対して効果的で、いつ登場しても厄介なフォロワーとして相手を苦しめるでしょう。 

 

カードゲーム歴など

 デュエルマスターズをプレイしていました。

 

kanja選手へのインタビュー

今大会で使用したデッキの選択理由を教えてください。

ドロシーウィッチは相手がアグロ系のデッキでもコントロール系のデッキでも互角の戦いができると考え選択しました。アグロ系のデッキであると判断したのならば、初手の手札交換では、《ベビーウィッチ・エミル》《ゲイザー》といったスペルブーストを持つフォロワーと《マナリアウィザード・クレイグ》《神秘の探究者クラーク》といったスペルブーストをする効果を持つフォロワーを集めれば互角以上の戦いができます。また、コントロール系のデッキであったならば、《次元の魔女・ドロシー》を序盤までに引いてくるようにカードを引くスペルカードを優先的に使うことで優位に立ち回ることができます。アグロヴァンパイアは、コントロールバンヴァンパイア以外は苦手な相手がいないので採用しました。

 

それぞれのデッキのキーカードとプレイのポイントを教えてください。

ドロシーウィッチは、《ルーンの貫き》などの直接相手にダメージを与えることができるスペルカードを多く採用しました。《ゴーレムの錬成》を3枚にしていたり《ウィンドブラスト》《虹の輝き》を採用している人も多いのですが、《次元の魔女・ドロシー》以外の手段でも動くことのできるデッキにしたかったため、アグロ系のデッキにも勝つことのできる攻撃性を重視しました。動きとしては、1ターン目に無理やり行動する必要性はありません。初手の手札交換で全部交換してまで探しに行くべきカードは《次元の魔女・ドロシー》だけだと思いました。例外としては、相手がヴァンパイアであった場合は、《エンジェルスナイプ》を手札に持っておいて、コストの軽いフォロワーを手札に集めます。そして、もしも後攻だった場合には、手札交換の時点で《古き魔術師・レヴィ》を手札に残しておいてもよいと思います。
アグロヴァンパイアは、今回追加された《レヴィオンデューク・ユリウス》がとても強く、《吸血姫・ヴァンピィ》と並びキーカードとなりました。

相手の場にフォロワーが出るたび、相手のリーダーに1ダメージ。

先行2ターン目に《レヴィオンデューク・ユリウス》を出すことができれば、《漆黒の法典》《鋭利な一裂き》以外では倒されないため、高い確率で相手に辛い動きを強いることができます。手札交換の優先順位としては、先攻の場合《レヴィオンデューク・ユリウス》>1コストのフォロワー>《吸血姫・ヴァンピィ》といったところでしょうか。後攻では、1コストのフォロワー>《レヴィオンデューク・ユリウス》《吸血姫・ヴァンピィ》です。また、プレイングとしては、いかに6コストまでに相手の体力を削ることができるかが勝敗を分けるため、盤面の処理よりも相手にダメージを与えることを優先することが多くあります。よほどのことがない限り、《死の舞踏》《夜の群れ》などの相手のフォロワーにしか打つことのできないカード以外では相手のフォロワーを処理しませんでした。気を付けていた点はこの程度ですが、やはり、ランクマッチなどでいろんなデッキと戦い、自分のデッキの弱点を把握し、どれだけ対応できるデッキにするかが、勝率を上げるポイントだと思います。しかし、中途半端にするとほとんどのデッキに負けてしまうのでそこらへんはしっかり調整するしかないですね。

 

大会で印象に残った場面を教えてください。

 

ここでは、自分は《古き魔術師・レヴィ》と相手のフォロワーとの相打ちを選びました。その後、《紅蓮の魔術》だけでターンを終了しました。理由としては相手がコントロールヴァンパイアであった場合に、こちらのフォロワーに対して《ディアボリックドレイン》などの回復を持つカードを使われてしまい相手の体力が増えてしまう可能性があったため、《古き魔術師・レヴィ》で相打ちをとったり《神秘の探究者・クラーク》を場に出さないという選択をしました。もし、手札に《死の舞踏》か、《ルーンの貫き》のうちの片方がなかったとしてもデッキ内に相手に直接ダメージを与えることのできるカードが多いので同じような立ち回りになったと思います。これは全体を通していえることですが、私は、その試合で使ったカードを全て覚えておくのではなく、直接ダメージを与えることのできるカードのうちどのカードを何回使ったのかだけを覚えておいて、残りのデッキの枚数と残っている直接ダメージを与えることのできるカードの数次第で、相手を倒すのに十分な打点が手札内で見えていなくても相手の体力を1または2くらいまで削りにいき、次のターンに引いたカードが直接ダメージを与えるカードで試合が決まったといった場面が多々あるため、その可能性に賭けてみよう。といった考えが今回の優勝に繋がったと思います。

 

大会での反省点はありますか?

プレイングでは、本選の決勝戦の2戦目、《次元の魔女・ドロシー》が手札にあり、《運命の導き》を使わなくても出せるのにもかかわらず、《運命の導き》を先にプレイしてしまったことがミスだったと思います。この時のドローで2枚目の《次元の魔女・ドロシー》を引いてしまったので、《次元の魔女・ドロシー》が手札にある場合には、ドローをしない方が良いと感じました。デッキ構築では、アグロヴァンパイアに《吸血貴・ヴァイト》を3枚入れていたのですが、1コストのフォロワーが最初に引けないことが何回かあったため、《吸血貴・ヴァイト》を2枚にして《呪剣の吸血鬼》を2枚から3枚に変えた方が良かったと思います。

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大会に向けてどのような調整をしましたか?また、1日のプレイ時間はどの程度でしたか?

大会前には、ランクマッチでアグロヴァンパイアとドロシーウィッチを使い、それぞれどのデッキに弱いのかを調べながらどのような立ち回りをすれば勝率がいいかを考えながらプレイしていました。ここ数日は3、4時間ほどのプレイ時間でした。普段は2、3時間程度です。

 

新環境いかがでしたか?また、今後使いたいデッキを教えてください。

新環境では、超越ウィッチや冥府エルフといったこれまで流行っていたデッキがいなくなり、リノエルフやドロシーウィッチ、ラストワードネクロといった今までになかったデッキがいくつか登場してきたので対策を考えることが大変でした。やはり、大会参加者のほとんどがドロシーウィッチを警戒しておりヴァンパイアを使っている人が多かったように感じられました。また、《ネフティス》が解禁されたこともあり自分の予想では、《ネフティス》を軸に置いたラストワードネクロが多いかと考え、アグロヴァンパイアを採用していたのですが、1回も対戦しなかったためなかなか苦労しました。今度は、リノエルフやラストワードネクロ、以前のものに改良を加えた陽光サタンなどを使いたいです。

 

 今後の目標を教えてください。

とにかく今はまだAA3なのでマスターランクに上がることです。その後、もう1度JCGで優勝したいです。

 

最後に 

どのデッキに強いのかを知るだけではなく、どのデッキに対して弱いのか。それは立ち回り方でどの程度改善されるのか?kanja選手は、その部分を中心に調整していたようです。調整と言っても様々なやり方があります。優勝者の調整方法を参考にしつつ、自分に合った方法が見つけられるといいですね。
 

kanja 選手、ありがとうございました!