Open vol.33 優勝者 Shinkey選手 デッキ解説&インタビュー

2016.12.10

11月26日に行われたJCG Open vol.33。
本大会で見事勝利したのはDetonatioN GamingのShadowverse部門所属のShinkey選手でした。おめでとうございます!
Shinkey選手が使用した2つのデッキは「超越ウィッチ」と「ミッドレンジロイヤル」でした。

 

デッキ1 超越ウィッチ

 

スペルを次々と発動し手札のカードのスペルブーストを進め、最終的に切り札である《次元の超越》で勝負を決めることを目指すデッキです。ダークネス・エボルヴ実装前とデッキの構成自体は大きく変わっていませんが、《古き魔術師・レヴィ》《くず鉄の練成》が採用されるようになりました。このことによりダークネス・エボルヴ実装前よりも簡単に《次元の超越》を発動することができるターンまで耐えることができるようになりました。また、今回のShinkey選手のデッキは《ウインドブラスト》3枚、《ファイアーチェイン》2枚、《炎の握撃》1枚を採用しており、相手のフォロワーを除去し続けることで《次元の超越》の発動ターンまでつなげる構成になっています。

 

デッキ2 ミッドレンジロイヤル

 

 

ダークネス・エボルヴ実装前は大会使用率1位を誇り、初心者から上級者まで愛用される人気のデッキです。持ち前の展開力を活かし、序盤から中盤にかけて相手を圧倒します。新カードで《渾身の一振り》《死の舞踏》が登場したため、今までのロイヤルには採用しにくかった相手のフォロワーを除去するカードを採用することが簡単になりました。そのことにより以前よりもさらに盤面を制圧しやすくなっています。《海底都市王・乙姫》《ロイヤルセイバー・オーレリア》といった単体で強力なレジェンドカードが多いのも特徴です。最近では、ダークネス・エボルヴ実装前と同じ、新カードの採用されていない型のデッキも流行っているようです。

 

経歴

カードゲーム暦なんと約20年!幼稚園の頃から現在に至るまでカードゲームをやっていなかった時期はほぼなく、マイナータイトルも含めると20タイトル以上遊んでいたそうです。
現在はプロeスポーツチームのDatonatioN GamingでShadowverse部門のプロとして活動中。
OPENREC.tvで配信もしています。

以下過去の主な実績

 デュエルマスターズ

公式大会優勝
関西チャンピオンシップ 3位
v1京都エリア代表決定戦ベスト8

 

ヴァンガード

新春トリオ祭ベスト4
ヴァンガード全国大会2位

 

CODE OF JOKER

全国エージェントポイントランキングtop50入り

 

Shinkey選手へのインタビュー

今大会で使用したデッキの選択理由を教えてください。

ロイヤルが流行してきたあたりから、環境が混沌としてきて今まで定石に近いものがあったBO3におけるエルフの採択が疑問になりました。そこで思いきってエルフを構成から外すことも選択肢として入れながら、RAGE予選あたりから環境の中心になっているエルフ、ロイヤル、ビショップ、ウィッチを意識してなるべく高い勝率が出る組み合わせを検討し、その結果、ウィッチ、ロイヤルを使うことになりました。特にウィッチとロイヤルのミラーマッチに自信があったというのもウィッチとロイヤルを選んだ理由の1つでもあります。

 

それぞれのデッキのキーカードやプレイのポイントを教えてください。

今、ロイヤルは公務員ロイヤル(第二弾のカードを1枚も積まずに1コストフォロワーが3×2枚入っている構築)が一番強いと一般的には言われているみたいなのですが、現環境における《クイックブレーダー》の必要性に疑問を感じていたので思い切って不採用にし、手札に引いてくると弱い《ヴァンガード》をなるべく引かないようにするために《わがままプリンセス》を採用しています。ロイヤルミラーなどはお互い手札が枯れて引いたカードの投げ合いになることも少なくないのでその辺りも意識しています。超越ウィッチは、主にエルフの《リノセウス》を止めるために《くず鉄の錬成》を採用しました。

ファンファーレ ジャンクゴーレム1体を出す。

 

《虹の輝き》で再利用することもでき、コストの軽い点で《氷像の召喚》と差別化できると思います。あとはロイヤルと疾走ビショップ意識の《ファイアーチェイン》が2枚採用してあります。
予選と決勝でのデッキ内容は、ほぼ同じで、ロイヤルだけ1枚変えています。具体的な変更内容として、予選では《ユニコーンの踊り手・ユニコ》2枚、《渾身の一振り》3枚でしたが、決勝では枚数を逆にしました。

「相手の場のフォロワーの数」が自分より多いなら、ナイト1体を出す。
相手のフォロワー1体に2ダメージ。

 

JCGでは普段のランクマッチなどよりも使用者が多いと予想されるフェイスドラゴンとミッドレンジロイヤルを意識していました。特にロイヤルの相方が超越ウィッチなのでフェイスドラゴンはロイヤルで絶対止めてやるぞ!止めないと勝てない!という勢いで試合に臨みました。決勝ではドラゴンを選択している方が少なかったので全体的な勝率を上げるために安定構築に戻しました。

 

大会に向けての調整はどのようなものでしたか?

このJCGの大会では参加者も多く、様々なタイプのデッキに当たるのでデッキパワーが高く、環境に多いと予想されるデッキに不利がつかない、またミラーマッチで必ず勝ち越す自信のあるデッキを持ち込むということを意識しました。
私がプロゲーマーということもあって普段はコーチングの依頼を多く頂くので、主にそこで自分の使っている自信のあるデッキを相手に渡し、プレイングを指導することで自分でも得られるものは吸収するようにしています。教えることで自分も勉強しているというような感じです。昨日もFRESH!杯というオフライン大会に出る方の依頼を受けたので深夜までコーチングしていました。その時と同じデッキを使っています。やはり必要だとは思うのですがルームマッチをする時間はあまり取れていません。

 

大会で印象に残った場面はありますか?

今大会でロイヤルミラーに多く当たったのですが、先攻から毎ターン理想的なフォロワーを展開し、こちらの体力をゴリゴリ削って最後は《セージコマンダー》《風神》で強化した上で《闇を纏う暗殺者》でフォロワーに潜伏を付与されてしまい、どうしようもないなぁと苦笑いした試合が2回もあったのは印象的でした。普段のランクマッチでは全くと言っていいほど見かけないカードを見たので印象に残っています。
潜伏ロイヤルは衝撃的だったのでスクリーンショットも撮りました。

 

 

大会での反省点を教えてください。

全くありません。構成もデッキ構築もプレイングも全て完璧だったと思っています。

 

優勝賞品のエーテルの使い道を教えてください。

現状、使いきれないほどのエーテルがあるので、いつかプレミアムカードが作成できるようになること期待して貯めておきます。

 

今後の目標を教えてください。

プレイヤーとしては、大型大会優勝を重ねたいです。プロゲーマーとしてはもっとたくさんの人が私を応援してくれるようになったり配信に遊びにきてくださるようになることです。

 

最後に

 さすがプロと言いたくなるようなインタビューでした。細かい構築の考えまで聞くことができてとても参考になったのではないでしょうか?2つのデッキを見ていると除去カードが好きなのかなという印象を受けます。大会に向けての調整はShinkey選手ならではの調整方法、真似することはなかなか難しいですが、人に教えるということだけではなく、自分の言葉にまとめるのはとてもいい方法なのではないでしょうか。言葉にまとめることで考えが整理され、プレイに一貫性が出ます。それによって大会でも自信をもってプレイすることができるようになると思います。
配信もやっているようなので記事を見てさらに疑問に思ったところがある方は見に行ってみるのもいいかもしれません。

 

Shinkey選手、ありがとうございました!