JCG Shadowverse Open Vol.1 優勝者『har』デッキ公開&インタビュー

2016.08.15

エントリー人数1300名以上の中から、抽選で256名が参加したJCG Shadowverse Open Vol.1。激戦を勝ち上がった最初の優勝者は、harさんに決まりました!

ルールはBO3(1試合中2バトル先取すれば勝利)の2リーダー制、両方のデッキで1勝しなければならないものでしたが、harさんは、現環境トップの強さを持つといわれる「エルフ」と、圧倒的なコントロール性能を持つ「ビショップ」を選び、大会に臨みでした。

なぜこの2つのデッキを選んだか聞いたところ、「エルフは全ての相手に対して5割以上の勝率が期待できるため選びました。ビショップは、エルフの勝率が少し低いドラゴン、ロイヤルとネクロマンサーに対して有利にを取れるため選びました」とのことでした。

それでは、優勝者harさんが使っていた2つのデッキを見ていきましょう!

デッキ1:冥府エルフ

 

デッキ内容は、現環境トップと言われる冥府エルフ。基本的な勝ちかたは《冥府への道》《リノセウス》の2通りが存在し、ターンごとの選択肢の多さから上級者向けのデッキとなっています。

 

基本的な戦いかたとして、バトル序盤は《ウォーターフェアリー》《フェアリーウィスパラー》といったフォロワーを場に出して盤面を取りに行くようにして、そこから3コストの《エンシェントエルフ》につなげる動きを目指します。

harさんは、「《エンシェントエルフ》はそのまま場に出しても2/3と優秀ですが、先攻3ターン目で4/5以上で出すと、現状のカードプールではほとんど処理できないのでかなり優秀です」と語っていました。

また、相手がコントロールタイプのデッキの場合、《収穫祭》を早めに場に出す選択肢の1つとのことでした。

 

バトル中盤では、《収穫祭》を常に発動させることを意識しつつ、相手がアグロデッキの場合は《根源への回帰》《メタルエルフメイジ》といったカードで盤面をコントロールします。手札にフェアリーが多く溜まっている場合や、そのターンにあまり有利をとれるカードが手札にない場合は、《新たなる運命》で手札をリセットしつつ、墓地を増やします。

 

バトル終盤では、相手にどうトドメを刺すかを考えます。たとえば、バトル中盤で有利な状態で、相手リーダーの体力が少ないのであれば、《リノセウス》でのフィニッシュも狙えます。墓場が30枚に近ければ《冥府への道》でのフィニッシュも狙えます。このカードがデッキに何枚残っているのか? など考えることが多くなるので、難しい場面でもあります。デッキ枚数が少なくなっているので、《新たなる運命》《収穫祭》を使う際には注意しましょう。

 

 

harさんが使用した冥府エルフで特徴的だったのは、《ゴブリンマウントデーモン》を採用していた点です。《ゴブリンマウントデーモン》は、ファンファーレで味方のフォロワー全てに3ダメージを与える効果を持っているため、場にフォロワーを多く展開する冥府エルフにとっては扱いづらいカードです。

しかし、見事に使いこなしていることから、harさんのプレイヤースキルの高さが伺えます。冥府エルフに強いアグロデッキに対して有利を取るためと、同系に対して差をつけるためのものでしょうか。《フェアリービースト》《根源への回帰》の枚数からも、アグロデッキに意識を向けていることが考えられます。

これに対してharさんは「《ゴブリンマウントデーモン》はデッキのうち39枚が決まった中の残り1枚での採用でした。どの相手にも使えるカードで、特にエルフ同士でとても強く、地味にキーカードになっています」と答えています。

今大会でのデッキ使用率を見ても、1位と2位にアグロデッキがあることから、よく考えられているデッキ内容と言えるでしょう。

デッキ2: ビショップ

 

デッキ内容は、《サタン》と体力4以上のフォロワーに守護をつける効果をもつ《守護の陽光》のコンボで有名な「陽光ビショップ」。フィニッシャーの《サタン》に繋げるまで耐えることが目的となるため、全体除去やヒール、守護フォロワーが多く入っているのが特徴です。

バトル序盤は、《アーデントシスター》《教会の護り手》といったフォロワーで場を取りに行きます。《漆黒の法典》は体力3以下のフォロワーを消滅させることができるため、ドラゴンの《ドラゴンナイト・アイラ》などの厄介なラストワードを持つフォロワーに対してとても役立ってくれます。余裕があるようなら、キーカードである《守護の陽光》を早めに出しておきましょう。

 

 

バトル中盤では、豊富な除去カードを使って、盤面をコントロールしていきます。《鉄槌の僧侶》の進化時の効果は強力なので、どんどん使っていきましょう。盤面が不利なら、《テミスの審判》でリセットするのもありです。こちらのリーダーの体力が少ない状況であれば、《大修道女》《ルシフェル》といったフォロワーで回復しましょう。その際、《守護の陽光》が場に出ていると、それらのフォロワーが守護になるので、より防御性能が増します。

 

  

バトル終盤では、トドメとなる《サタン》を出します。《サタン》を出したターンは、アクションが起こせないため、無防備になりがちですが、《守護の陽光》があれば、《サタン》自体に守護がつくため、デメリットを軽減することができます。

そして、アポカリプスデッキでハズレ扱いされてしまう、サタンズサーヴァントが、陽光ビショップではアタリ扱いになります。《守護の陽光》の効果で、サタンズサーヴァントに守護がつき、"13/13・守護持ち"の化け物が誕生します。これを撃破できるカードは限られているので、かなり有利と言えます。もちろんサタンズサーヴァント以外のアポカリプスカードも非常に強力です。

《サタン》《守護の陽光》のコンボが決まれば非常に強力なので、この終盤までうまく試合をコントロールすることが陽光ビショップの課題です。

 

 

 

harさんの陽光ビショップでは、2コストのフォロワーに《マイニュ》《アーデントシスター》が採用されていました。

harさんは「《マイニュ》《アーデントシスター》は、2ターン目に2/2を出すことで盤面を安定させるのが目的です。同じ2コストの《スネークプリースト》の1/3ではこの役割は果たせません」と、序盤を切り抜けるためのセレクションが見れます。

特に《マイニュ》は現環境トップの冥府エルフに対して有利を取れるので、とてもいい採用だと言えるでしょう。

 

 

《エクスキューション》を3枚採用していることに対してharさんは、「《エクスキューション》は苦手な冥府エルフの《冥府への道》を破壊することを目的に入れています。他のクラスが相手でも腐ることがないので優秀です」と、冥府エルフを意識したチョイスであることを明かしています。

また、《ムーンアルミラージ》が入っていないのも特徴的で、その部分を《ジャンヌダルク》《ルシフェル》といった、より高コストのフォロワーを採用することにより、終盤の安定感を底上げしているとのことです。どの相手にも対等か、それ以上に戦えるデッキという印象を受けました。

 

 

まとめ

harさんの2つのデッキには、抜群の安定感があります。256人の中から1位を取るには、多くの試合をしなければなりませんから、デッキの安定感というのは、非常に重要になってきます。そういった部分が、今大会優勝の起因になったのだと考えられます。

最後にharさんからのコメントをまとめ、最後としたいと思います。

harさん、ご協力ありがとうございました! 改めて、優勝おめでとうございます!

harさんのコメント

「まず、今大会に向けてエルフを使うことは確定していたので、ドラゴン相手の立ち回りを練習しました。残るもう1枠は最後までビショップかドラゴンで迷っていましたが、最終的にドラゴンを意識してビショップを選びました。

今大会で印象に残った試合は、決勝1戦目の冥府エルフ同士の試合です。自分の《冥府への道》2枚発動が決まって勝利をほぼ確信したと思ったら次のターンに18点も体力を削られて負けたのはさすがに心にきました……。その後、2試合目でエルフを選択してドラゴンに勝てたのがとても大きかったです。《リノセウス》が強かったです!

今後も「シャドウバース」を楽しみつつ、大会も頑張りたいです!」